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文明戯研究の現在

文明戯研究の現在-春柳社百年記念国際シンポジウム論文集

編著者:飯塚容(グローバルCOE研究協力者)、瀬戸宏(グローバルCOE客員講師)、平林宣和(早稲田大学准教授、グローバルCOE事業推進担当者)、松浦恒雄(グローバルCOE研究協力者)

【内容】
中国の現代演劇(話劇)は、100年前に日本から始まったとされている。中国人留学生により東京で組織された春柳社が、日本の新派劇の影響を受けて、1907年2月に「茶花女(椿姫)」、7月に「黒奴籲天録(アンクルトムの小屋)」を上演すると、その活動は瞬く間に中国国内へ伝わって大きな反響を呼び、中国各地で数々の新劇(のちに「文明戯」と呼ばれる)活動が展開され、映画や伝統演劇にも大きな影響を与えた。

本書は2007年2月に早稲田大学演劇博物館21世紀COEプログラムの主催で行われた「春柳社百年記念国際シンポジウム」の成果である。中国演劇近代化の様相を、「文明戯」を中心に日本との関わりも含めてさまざまな視点から考察する。

2009年2月27日発行
東方書店

定価6,000円+税
【内容】
序文 竹本幹夫
瀬戸宏 日本側開会あいさつ
田本相 中国側開会あいさつ(中日演劇交流史における春柳社の地位と意義)(大江千晶訳)
田本相 新劇の誕生(大江千晶訳)
飯塚容 もう一つの『姉妹花』――『ドラ・ソーン(谷間の姫百合)』の変容
袁国興 「文明戯」の形態と話劇の発生――「文明戯体系」説への疑問(松浦恒雄訳)
宋宝珍 文明戯の劇場の状況と上演形態(藤野真子訳)
神山彰 日本の新派、新劇と春柳社
瀬戸宏 文明戯の時期区分に関する試論
張軍 梁啓超演劇の話劇化傾向と日本の関係(平林宣和訳)
劉平 春柳社演劇と学園演劇の発展(田村容子訳)
黄愛華 一モデルとしての春柳悲劇及びその意義(鈴木直子訳)
松浦恒雄 新しい「民族形式」の創造と文明戯
顧文勲 「春柳社友」林天民の新劇活動と脚本創作-「未刊話劇史料拾零」の一(鈴木直子訳)
飯塚容 閉会あいさつ

鈴木直子 『家庭恩怨記』に関する一考察-故事の挿入に見る脚本の変遷-
魏婕 春柳社の本郷座公演から見た中国近代劇のスタンス―『黒(こく)奴(ど)籲(ゆ)天(てん)録(ろく)』を再論して-
陳凌虹 『脚本 不如帰』と『家庭恩怨記』―そのメロドラマ的性格をめぐって
平林宣和 春柳社百年記念国際シンポジウム実施および同論文集刊行について

瀬戸宏 あとがき文明戯関連略年表
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