舞踊研究コース
東西の舞踊理論を研究する
研究計画
グローバルCOE研究生に対する研究指導
グローバルCOE研究生のための学術論文指導体制を充実させて論文執筆を奨励し、学位取得を推進する。具体的指導体制としては、グローバルCOE研究生の研究テーマに応じた第一線の研究者を招聘して論文指導に協力を仰ぎ、合わせて国内外での学会発表や国際的な学術誌への論文投稿を促進し、研究成果を上げた学生を海外とのネットワークに参加させる、さらには海外での研究調査などに対する積極的な支援を行う。また博士後期課程に舞踊研究専攻を有する海外の大学との交流・提携を促進する。以上の支援を通して、国際的に活躍しうる舞踊学研究者の育成を図る。また客員講師による「舞踊文化論」(担当:石井達朗)、「バレエ史」(担当:鈴木晶)の授業、及び研究員と講師による自由な討論をもとに研究の可能性を拓く数度の研究会を開講する。事業推進担当者
氏名 | 所属 | 担当 |
---|---|---|
鈴木 晶 | 文学研究科人文科学専攻・演劇映像学コース 客員教授 | 舞踊 |
研究協力者
氏名 | 所属 |
---|---|
石井達朗 | 慶應義塾大学名誉教授 |
片岡康子 | お茶の水女子大学名誉教授 |
吉川周平 | 京都市立芸術大学名誉教授 |
舞踊研究コースでは、東西の舞踊を対象にして舞踊理論研究(史学・美学など)、舞踊分析研究(作家・作品・振付・演技など)、さらに両者を融合した研究を行うことによって、日本の舞踊学研究の水準向上に貢献することを目指して活動を展開した。
そのために、1.コース全体企画、2.個別プロジェクトの2 本柱で運営。全体企画では、国内外からの招聘講師による講演会及び研究会を開催、また個別プロジェクトでは、各々の課題に基づいた研究会を開催した。【Ⅰ】現代舞踊プロジェクト(コンテンポラリーダンスを中心にした舞踊史、作品・演技などの舞踊分析法研究)(担当:片岡康子、石井達朗)、【Ⅱ】古典舞踊プロジェクト(ロシアバレエを中心にしたバレエ史、日本の伝統舞踊研究)(担当:鈴木晶、吉川周平)。その他、通常の文学研究科の授業(バレエ史:鈴木晶担当、舞踊学演習:片岡康子担当、その他)以外に08 年度はグローバルCOE(以下GCOE と略す)枠の授業として、「舞踊文化論」(石井達朗担当)及び「民俗舞踊論」(吉川周平担当)を開講した。
また研究員のための学術論文指導体制を充実させて論文執筆を奨励し、学位取得に向けて研究を進展させた。具体的指導体制としては、研究員の研究テーマに応じた第一線の研究者を客員講師として招聘して論文指導に協力を仰ぎ、合わせて国内外での学会発表や国際的な学術誌への論文投稿を促進し、研究成果を上げた学生を海外とのネットワークに参加させるなどの積極的な支援を行った。また博士後期課程に舞踊研究専攻を有する海外の大学との交流・提携も促進しつつあり、以上の支援を通して、国際的に活躍しうる舞踊学研究者の育成を図っている。
さらに、個別プロジェクトの研究推進を可能にする貴重資料の収集を行った。
■担当者
〈事業推進担当者〉
片岡 康子 早稲田大学文学学術院客員教授 お茶の水女子大学名誉教授
〈客員教員〉
石井 達朗 早稲田大学演劇博物館グローバルCOE 客員講師 慶應義塾大学教授
吉川 周平 早稲田大学演劇博物館グローバルCOE 客員講師(2008 年度まで)、京都市立芸術大学名誉教授
鈴木 晶 早稲田大学演劇博物館グローバルCOE 客員講師(2008 年度まで)、法政大学教授
〈研究助手〉
崔 柄珠 早稲田大学演劇博物館グローバルCOE 研究助手
Ⅱ.コース活動報告
1.海外招聘講師による講演会
1970 年代から現在に至るまで、ダンサー/コレオグラファーとして問題作を多数発表し、そのたびに注目を集めてきたアーティ ストであると同時に、『リーディング・ダンシング(舞踊を読む)』や『振付と物語』などの著作を通 じて、世界の舞踊学の発展に多大な貢献をされてきた、アメリカを代表する舞踊研究者であるスーザン・レイ・フォスター氏(UCLA 教授)をお招きして、講演会を開催した。
【スーザン・レイ・フォスター教授講演】
(1)「“Choereography”という用語の歴史と、舞踊学科のカリキュラムの発展との関係」
日 時:2008 年5 月15 日 14:00 ~ 17:00
場 所:早稲田キャンパス6 号館318 号室
コメンテータ:鈴木 晶(法政大学教授・GCOE 客員講師)
(2)「アメリカにおける舞踊学研究の現状」
日 時:2008 年5 月16 日 14:00 ~ 17:00
場 所:国際会議場第一会議室
ディスカッサント:石井 達朗(慶應大学教授・GCOE 客員講師)
(3)「GCOE 研究員との対話」
日 時:2008 年5 月17 日 14:00 ~ 16:00
場 所:早稲田キャンパス6 号館318 号室
2.国内招聘講師によるシンポジウム
シンポジウム(1)
「最古の歌舞伎舞踊―志賀山流に伝承されている歌舞伎の型とその美学」
日 時:2008 年10 月10 日
場 所:国際会議場第一会議室16:30 ~ 18:30
講演者:吉川 周平(京都市立芸術大学名誉教授・GCOE 客員講師)
題 目:「姫島の盆踊りとその足の基本動作のボンアシ」
講演者:志賀 山葵(志賀山流家元補佐役)
実 演:志賀 山葵(志賀山流家元補佐役)志賀 山千尋(志賀山流師範)
シンポジウム(2)
「ダンスを生きる―舞踏、オイリュトミー、コンテンポラリーダンスを巡って―」
日 時:2008 年11 月7 日 16:30 ~ 18:30
場 所:早稲田キャンパス6 号館318 号室
対 談:笠井 叡(舞踊家・振付家・オイリュトミスト)
石井 達朗(慶應大学教授・GCOE 客員講師)
シンポジウム(3)
「ボリショイ・バレエ芸術監督アレクセイ・ラトマンスキー氏をお迎えして
特別講演『明るい小川』について」
日 時:2008 年12 月2 日 18:30 ~ 20:30
場 所:大隈タワー地下1 階多目的講義室
講演者:アレクセイ・ラトマンスキー(モスクワ・ボリショイ・バレエ芸術監督)
聞き手:鈴木 晶(法政大学教授・GCOE 客員講師)
題 目:「特別講演『明るい小川』について」 Ⅰ.概要
舞踊研究コースでは、東西の舞踊を対象にして舞踊理論研究(史学・美学など)、舞踊分析研究(作家・作品・振付・演技など)、さらに両者を融合した研究を行うことによって、日本の舞踊学研究の水準向上に貢献することを目指して活動を展開した。
そのために、1.コース全体企画、2.個別プロジェクトの2 本柱で運営。全体企画では、国内外からの招聘講師による講演会及び研究会を開催、また個別プロジェクトでは、各々の課題に基づいた研究会を開催した。【Ⅰ】現代舞踊プロジェクト(コンテンポラリーダンスを中心にした舞踊史、作品・演技などの舞踊分析法研究)(担当:片岡康子、石井達朗)、【Ⅱ】古典舞踊プロジェクト(ロシアバレエを中心にしたバレエ史、日本の伝統舞踊研究)(担当:鈴木晶、吉川周平)。その他、通常の文学研究科の授業(舞踊美学:尼ケ崎彬担当、舞踊学演習:片岡康子担当、その他)以外に2009 年度はGCOE 枠の授業として、「舞踊文化論」(石井達朗担当)及び「日本舞踊論」(古井戸秀夫担当)を開講した。
また研究員のための学術論文指導体制を充実させて論文執筆を奨励し、国内外における研究調査への派遣などにより、学位取得に向けて研究を進展させた。具体的指導体制としては、研究員の研究テーマに応じた第一線の研究者を客員講師、研究協力者、及び研究会招聘講師として招聘して論文指導に協力を仰ぎ、随時の個別指導も強化するとともに、合わせて国内外での学会発表や国際的な学術誌への論文投稿を促進し、研究成果を上げた学生を海外とのネットワークに参加させるなどの積極的な支援を行った。また、博士後期課程に舞踊研究専攻を有する海外の大学との交流・提携も促進しつつあり、以上の支援を通して、国際的に活躍しうる舞踊学研究者の育成を図っている。
■担当者
〈事業推進担当者〉
片岡 康子 早稲田大学文学学術院客員教授 お茶の水女子大学名誉教授
舞踊研究コース
〈客員教員〉
石井 達朗 早稲田大学演劇博物館グローバルCOE 客員講師、 慶應義塾大学名誉教授
鈴木 晶 早稲田大学演劇博物館グローバルCOE 客員次席研究員(2010 年度より)、法政大学教授
〈研究助手〉
崔 柄珠 早稲田大学演劇博物館グローバルCOE 研究助手(2009 年度まで)
渡沼玲史 早稲田大学演劇博物館グローバルCOE 研究助手(2010 年度より)
Ⅱ.コース活動報告
1.海外招聘講師による講演会
(1) 【スティーヴ・パクストン氏講演会】
「Material for the Spine”についてのレクチャーとDVD 映像を交えながら行うデモンストレーション―」
日 時:2009 年5 月21 日 18 時00 分~ 21 時00 分
場 所:早稲田大学国際会議場第2 会議室
ディスカッサント:石井達朗(慶應大学名誉教授・GCOE 客員講師)
(2) 【韓国の現代舞踊―舞踊教育と国際フェスティバルを巡って】
日 時:2010 年2 月3 日 15 時30 分~ 20 時50 分
場 所:早稲田大学早稲田キャンパス6 号館318 教室(レクチャルーム)
講 演(1)「韓国の大学における舞踊教育の発展と現状」
講師 陸完順(社団法人韓国現代舞踊振興会理事長)
講 演(2)「韓国における国際舞踊フェスティバル」
講師 金哲理(ソウル国際舞台芸術祭芸術監督)
2.国内招聘講師による講演
(1) 【バレエ・リュス100 周年記念関連シンポジウム他の海外最新情報】
日 時:2009 年7 月16 日 10 時00 分~ 12 時30 分
場 所:早稲田大学国際会議場共同研究室1
講 師 鈴木晶(法政大学教授・GCOE 研究協力者)
(1) 【バリ舞踊研究】
日 時:2009 年11 月6 日17 時00 分~ 20 時30 分
場 所:早稲田大学早稲田キャンパス6 号館318 教室(レクチャルーム)
(1) 講 演:「バリ島社会の変容と芸能の現在」
講師 伏木香織(東京藝術大学教育研究助手)
(2) 講演及び実演:「バリ舞踊の技法と独自性」
講師・実演 猪野尾洋美(バリ舞踊家)
【舞踊研究の可能性を拓く】
―研究員の研究発表と外部招聘講師を交えた研究討議―
日時:2010 年2 月12 日 13 時00 分~ 18 時00 分
場所:早稲田大学国際会議場共同研究室7
発表(1):「ダムタイプによるパフォーマンス作品≪S/N≫―アイデンティティの提示を中心に」
発表者:竹田 恵子(GCOE 研究生)
講師:鴻 英良(演劇批評家)
毛利 嘉孝(東京芸術大学准教授)
司会:石井 達朗(慶應大学名誉教授・GCOE 客員講師)
発表(2):「バレエ《春の祭典》」
発表者:北原 まり子(GCOE 研究生)
講師:鴻 英良(演劇批評家)
司会:片岡 康子(GCOE 事業推進担当者)
発表(3):「晋州券番に伝承された妓生舞踊」
発表者:許 娟姫(GCOE 研究生)
講師:野村 伸一(慶應大学教授)
司会:吉川 周平(京都市立芸術大学名誉教授・GCOE 客員講師)
Ⅰ.概要
平成19 年度は、「舞踊研究の現在―理論研究と分析研究の交錯地点をズームアップする―」というテーマを掲げ、舞踊理論研究(美学・史学など)と作品(技法・振付・演技を含む)などの分析(舞台・映像・舞踊譜などによる)研究と両者が融合した舞踊研究の検討を行った。事業は下記のような視点から企画した。
【Ⅰ】海外からの招聘講師による講演会及び海外における博士論文の情報収集。
【Ⅱ】舞踊分析法(舞踊記譜法、ラバンシステム分析法)研究
【Ⅲ】舞台上演研究(関連芸術も含めた総合的な視点からの研究)
上記を組み込んだ定例研究会及び国際研究集会を企画開催するとともに、全国の大学及び海外から受け入れた特別研究員のための博士論文指導体制を強化して、研究の進展を支援した。
■担当者
<事業推進担当者>
片岡 康子 早稲田大学大学院文学研究科客員教授
<客員教員>
糟谷 里美 早稲田大学演劇博物館グローバルCOE 客員講師(2007 年度まで)、昭和音楽大学専任講師
北村 明子 早稲田大学演劇博物館グローバルCOE 客員講師(2007 年度まで)、信州大学専任講師
鈴木 晶 早稲田大学演劇博物館グローバルCOE 客員講師(2008 年度より)、法政大学教授
吉川 周平 早稲田大学演劇博物館グローバルCOE 客員講師(2008 年度より)
石井 達朗 早稲田大学演劇博物館グローバルCOE 客員講師(2008 年度より)、慶應義塾大学教授
<客員研究助手>
崔 柄珠 早稲田大学演劇博物館グローバルCOE 客員研究助手(2008 年度より)
Ⅱ.コース活動報告
1.定例研究会
【第1 回定例研究会】
日 時:2007 年11 月16 日 15:30 ~ 18:30
場 所:早稲田キャンパス6 号館318 号室
研究発表(1)
「20 世紀初頭におけるロシア帝室劇場のバレエ研究―バレエ・リュスの萌芽を探る―」
発表者 平野 恵美子(GCOE 研究員・RA)
研究発表(2)
「舞踊分析法と舞踊研究の実際その1」
発表者 糟谷 里美(昭和音楽大学専任講師・GCOE 客員講師)
【第2 回定例研究会】
日 時: 2007 年12 月14 日 15:30 ~ 18:30
場 所:早稲田キャンパス6 号館318 号室
研究発表(1)
「台湾における京劇戯曲舞踊の基本技法研究―部位技法の特徴と表現特性を中心に―」
発表者 富 燦霞(GCOE 研究員・RA)
研究発表(2)
「舞踊分析法と舞踊研究の実際2」
発表者 糟谷 里美(昭和音楽大学専任講師・GCOE 客員講師)
【第3 回定例研究会】
日 時:2008 年1 月11 日 15:30 ~ 18:30
場 所:早稲田キャンパス6 号館318 号室
研究発表(1)
「メディアとしての身体と表現の技法 ―身体表現の生成:日常から舞台へ―」
発表者 北村 明子(信州大学専任講師・GCOE 客員講師)
研究発表(2)
「ワシリー・カンディンスキーの≪舞台コンポジション≫における身体性と運動」
発表者 小林 奈央子(GCOE 研究員)
【第4 回定例研究会】
日 時:2008 年1 月25 日 15:30 ~ 18:30
場 所:早稲田キャンパス6 号館318 号室
研究発表(1)
「メディアとしての身体と表現の技法2」
発表者 北村 明子(信州大学専任講師・GCOE 客員講師)
研究発表(2)
「土方巽・暗黒舞踏における非統合の身体 ― 1970 年代の身体像―」
発表者 稲田 奈緒美(GCOE 研究員・RA)
2.国際研究集会
「ダンス研究への招待・≪春の祭典≫再考」
【ジャネット・ランズデール教授講演】
(1)「ダンス研究への招待 ―舞踊研究に挑戦する学生たちに贈る授業―」
日 時:2008 年1 月29 日 14:30 ~ 17:30
場 所:早稲田キャンパス6 号館318 号室
(2)「ダンス研究への招待 ―ヨーロッパにおける舞踊研究の成果と展望―」
日 時:2008 年1 月30 日 17:00 ~ 18:00
場 所:小野記念講堂
【シンポジウム】
「ニジンスキー振付≪春の祭典≫再考」
日 時:2008 年1 月30 日 18:00 ~ 20:30
場 所:小野記念講堂
基調報告
「≪春の祭典≫概説及び振付の諸版について」
鈴木 晶
(法政大学教授、GCOE 研究協力者)
講師による講演
(1)「ストラヴィンスキーの音楽が与えた衝撃」
伊東 一郎(早稲田大学教授)
(2)「レーリッヒの美術」
沼野 充義(東京大学教授)
(3)「“犠牲の処女”を踊って」(実演を含む)
平山 素子(舞踊家・筑波大学講師)
以上の活動を通して舞踊研究の国際的教育・研究拠点としての役割を担うとともに、国際的に活躍しうる舞踊学研究者の育成を図ることを目指している。