舞踊研究会
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開催概要
日時 | 2008年1月11日(金) 15:30~18:30 | |
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場所 | 西早稲田キャンパス6号館318教室 | |
主催 | 舞踊研究コース | |
概要 | 15:30~16:00 発表者 北村明子(信州大学専任講師・グローバルCOE客員講師) タイトル:メディアとしての身体と表現の技法―身体表現の生成:日常から舞台へ― 16:00-16:30 質疑応答 16:40-17:30 発表者 小林奈央子(グローバルCOE研究員) タイトル:ワシリー・カンディンスキーの〈舞台コンポジション〉における身体性と運動―作品における聖像画(イコン)の影響について(1)身体像における逆遠近法― 17:30-18:30 質疑応答およびデスカッション
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詳細情報
【報告】「メディアとしての身体と表現の技法」では、ホラー映画『回路』(黒澤清)に現れた幽霊の歩行を事例とし、日常生活の中の無意識的、かつ基本的な歩きの様々な表現可能性について試みた。幽霊の歩行には、自然と不自然、予定調和と不意、感覚とそのずれ、運動の細分化などの日常と非日常の混在という手法を取り入れることによって「日常の解体から恐怖の感覚へと転覆」の身体表現が見られた。
「ワシリー・カンディンスキーの〈舞台コンポジション〉における身体性と運動」は、カンディンスキーの初期4作品(1908-1909)を対象にした継続研究である。今回は、〈舞台コンポジション〉作品の登場人物の身体像とそこに用いられた運動の考察より、東方正教会の聖像画(イコン)がそれら作品の身体像に及ぼした影響を逆遠近法を中心に考察した。その結果、①聖像画(イコン)の身体像には中央の人物が巨大に描かれ、それ以外の要素はその中心人物から遠く配置されている②〈舞台コンポジション〉においてイコンのこのような逆遠近法の提示は、カンディンスキーによって精神性の現われとして解釈されたことが明らかになった。③それを元に両方を比較・分析することで作品の主題解釈の手がかりを得ることができた。