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17世紀フランス演劇研究会

開催概要

日時 2008年1月19日(土)15:00~18:00
場所
主催 西洋演劇研究コース
概要 研究発表および質疑応答

G.Zarlinoの『音楽教程Istitutioni harmoniche』(1558)において、古代修辞学の術語であった〈主題thema〉が音楽において用いられて以来、〈主題〉は,近代西洋音楽の作曲法を根本的に支える理念となった。ネーデルランド楽派をはじめとしたルネサンスの通模倣様式によるポリフォニー声楽曲は、歌詞の一句一句とともに新たな主題が現れる多主題の構造(point)であった。一方、その声楽曲の模倣から始まったとされるポリフォニー鍵盤楽曲において、17世紀の諸作品は、その多主題構造を踏襲したもの、主題が自在に変奏・変容されていくもの、限定された主題による統一という理念に向かうもの等々、と極めて多様であった。言葉の制約から離れた器楽曲において、音楽作品としてどのような美学的理念のもと一作品が構成されたのかを検討するにあたり、異質なものを多様に内包しようとするものと,限定された素材により統一を図ろうとするものとの2つの指向性に仮に要約を試みた時、〈バロック〉/〈古典〉といった美学的対軸をはじめ、西洋における同時代の政治・文化の諸相との学際的な視点を獲得することは可能かどうか、発表者により問題提起され,質疑応答が行われた。

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