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シェイクスピア・ゼミ講演会

開催概要

日時 2008年11月2日(日) 15:30~17:00
場所 早稲田大学大隈記念タワー(26号館)302会議室
主催 西洋演劇研究コース シェイクスピア・ゼミ
概要 「妻の死肉を食らった男の物語」
講師:中野春男氏(学習院大学教授)

詳細情報

【講演会報告】本講演は、これまでシェイクスピア『テンペスト』研究で言及されてこなかった新大陸関連の史料が『テンペスト』の材源の一つである可能性を考察したものである。本講演で中野氏は、Purchasにより1625年に出版された本に収録されたJohn Smithの書簡集、そして、1610年に出版されたSeaAdventure号の生還を大々的に発表したパンフレットを手がかりに、「ヴァージニアの悲劇、妻の死肉を食らった男の物語」という1610年春のロンドンで広まった噂を再現し、『テンペスト』の劇世界で起きることを再検討した。その結果、『テンペスト』のファーディナンド、アントーニオとセバスチャン、トリンキュローとステファノーによって繰り広げられる劇世界には、「主を失ったら人間はどんな愚かなことをするだろうか」ということが示されているという、新たな作品像が示された。これにより、『テンペスト』の摩訶不思議な劇世界をどう読解、演出すればいいのかを新たな示唆が与えられた。

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