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演劇論講座 スタニスラフスキー・システムとロシア演劇

開催概要

日時 2009年1月22日(木) 16:30~18:00
場所 早稲田キャンパス6号館3階318室(レクチャールーム)
主催 西洋演劇研究コース
概要 講師:岩田 貴氏(早稲田大学客員教授)
・講演
・質疑応答
挨拶:丸本 隆(事業推進担当者、早稲田大学法学学術院教授)

詳細情報

【報告】
ロシア演劇といえば、俳優がうまいという定評がある。その俳優芸術の伝統を築き上げ、支えてきたのが、スタニスラフスキーの俳優教育法、いわゆるスタニスラフスキー・システムである。スタニスラフスキーの著作は、日本でもかなり早い時期から翻訳が始まっていたが、諸々の事情からその翻訳は英語版からなされてきた。しかし、その基になった英語版は不完全な抄訳ともいえるもので、多くの問題点が指摘されている。そのため、「システム」にはこれまでさまざまな誤解がつきまとってきたが、2008年より、日本において『俳優の仕事』全3巻のロシア語テクストからの初めての翻訳出版が始まり、その全貌が明らかになろうとしている。
本講演では、まずスタニスラフスキーの生涯と当時のロシア演劇界とを、貴重な写真によって概観した。次に「システム」を論じた著作の構成を示すとともに、その著作が、どのように日本や欧米で受容され、大きな影響を与えると同時に、「システム」への誤解もまた生じたことが述べられた。そしてロシアの俳優教育を支える国立演劇大学の制度についても概略が示された。岩田講師は、さらに、この後にロシア演劇のDVDを上映し、そこに認められる「システム」の影響を述べられるご予定だったが、残念ながら時間上の理由で割愛となった。質疑応答もたいへん活発であり、ブレヒトとスタニスラフスキーとの比較対照や、中国演劇におけるスタニスラフスキー・システムの受容など、論点は多岐にわたった。

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