演劇論講座 「ツアー・パフォーマンス『東京/オリンピック』 ~「1960年代」を掘り起こす」
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開催概要
日時 | 2009年1月27日(火) 14:40~16:10 | ||
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場所 | 早稲田キャンパス6号館3階318室(レクチャールーム) | ||
主催 | 西洋演劇研究コース | ||
概要 | 講師:ピーター・エッカサール氏(Dr. Peter Eckersall) (The University of Melbourne,Senior Lecturer) ・講演 ・質疑応答 挨拶:澤田敬司(GCOE事業推進担当者/早稲田大学法学学術院教授)
【内容】 1964年のオリンピックは、東京の都市空間が大変貌をとげる前兆であった。 新しく建設された斬新な建造物や高速道路や新幹線は、目に見える戦災の記憶 を拭い去った。しかし1960年代という、五十嵐惠邦が「明るく健全な空間」 と呼ぶものの到来は、同時に反抗とカウンターカルチャーの時代とも合致して いた。この講座では、『東京/オリンピック』を、1964年という「明るい 空間」を記憶し批評するパフォーマティブな言説として解読する。この都市ツ アーは、断片的で漠然としたナラティブではあるが、東京オリンピックの時に 整備されたインフラを「歴史化」する叙事詩をどのように創りあげたのだろうか。 そして、このような場所を訪れることが、どのようにノスタルジアを減じさせ、 喪失を政治化するドラマとして機能するのだろうか。『東京/オリンピック』は、 オリンピックをラディカルに読み直す作品なのだということを、この講座を通し て論じてみたい。 【使用言語:英語】 ※入場無料・予約不要 |
詳細情報
【報告】本講演は、ポルトBによる『東京/オリンピック』(2007)を、1964年の空間を記憶し、批評するパフォーマティヴな言説として読み解くものであった。この都市ツアーは、断片的で漠然としたナラティブではあるが、東京オリンピックの時に整備されたインフラを「歴史化」する叙事詩を創りあげるものであり、そして、このような場所を訪れることが、ノスタルジアを減じさせ、喪失を政治化するドラマとして機能していることを講演の写真を交えながら詳細に論じた。また、質疑の後、高山明氏(ポルトB主宰)からツアー・パフォーマンスの意図するところについてなどの、貴重なコメントをいただいた。参加者との質疑応答なども活発に行われた。