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2009年度第2回 オペラ/音楽劇の総合的研究プロジェクト

開催概要

日時 2009年5月19日(火) 18:15~20:30
場所 早稲田キャンパス8号館307教室
主催 西洋演劇研究コース オペラ研究会
概要 ヒンデミット≪行きと帰り≫における「時間」と「物語」についての考察

報告者:中村 仁(GCOE研究員・東京大学大学院)

【内容】
音楽を伴ったスケッチ」Sketch mit Musikと題されたヒンデミットの≪行きと帰り≫Hin und zurückは1927年、ドイツのバーデンバーデン室内音楽祭における「室内オペラ」Kammeroper特集の一環として初演された。
わずか401小節、時間にして10分足らずのこの作品において特異なのは、夫婦の間の不和をめぐる劇の途中で時が遡り、物語と音楽が「逆行」する点である。サイレント映画全盛の時代にあって、映像を巻き戻すような「映画的発想」を取り入れたと言われるこの作品、しかしながら実際は時間を「逆行」することにより解体されうる意味内容を取り繕うために、身振り、言葉、音楽、それぞれ個別に「逆行」とは別の次元での様々な操作がくわえられている。
ヒンデミットが同時代に書いたオペラ論や映画音楽論なども参照しながら、この「逆行」のプロセスを検証することを通して、逆にオペラおよび音楽劇において、いかにして身振り、言葉、音楽が「一つの」意味内容を形成しうるのか、ということの一端を明らかにすることを試みたい。

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