エーリカ・フィッシャー‐リヒテ教授連続講演会<第1回>
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開催概要
日時 | 2009年9月29日(火)16:30~18:30 | ||
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場所 | 早稲田キャンパス 大隈講堂(小講堂) | ||
主催 | 西洋演劇研究コース | ||
概要 | テーマ:『パフォーマンスの美学』について―上演概念に即して― 講師:エーリカ・フィッシャー-リヒテ(ベルリン自由大学教授) 講演ののち質疑応答 使用言語:ドイツ語(通訳あり) 司会・通訳:平田 栄一朗(慶応大学文学部准教授)
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詳細情報
【開催報告】西洋演劇研究コースでは、今秋、ドイツにおける演劇学の指導的な研究者であるエーリカ・フィッシャー=リヒテ教授(Prof. Dr. Erika Fischer-Lichte ベルリン自由大学)を招聘し、従来の演劇論とは一線を画す、本格的なパフォーマンス論についての連続講演会を開催した。
講演会の初日は、演劇博物館副館長・秋葉裕一(理工学術院教授)の挨拶に始まった。フィッシャー=リヒテ教授は、近著『パフォーマンスの美学』が、今年、日本でも刊行されたことに鑑み、そのエッセンスに当たる部分を、具体的な映像資料を交え、明快に語った。同書の翻訳者の一人である平田栄一朗氏(慶応大学文学部准教授)が、司会・通訳を務め、同書の背景についても次のように解説した。
演劇研究者としてフィッシャー=リヒテ教授の業績は、ドイツ語圏を超えて世界的に知られている。近年では、2004年に刊行された『パフォーマンスの美学』(Ästhetik des Performativen.)が研究者に注目され、早くも2008年には英訳(The Transformative Power of Performance. A New Aesthetics.)が出版されている。ドイツ語圏では元来、演劇芸術も詩文学の伝統に結びついて広範な支持を得てきたのであり、したがって、演劇研究においても1960年代から英語圏で発展したパフォーマンス理論がすぐにそのまま導入されたわけではない。その中でフィッシャー=リヒテ教授による『パフォーマンスの美学』は、演劇を何よりも上演において考察すべき芸術ジャンルと捉え、それまでのパフォーマンス論を吸収したことによって、包括的で徹底したパフォーマンス基礎理論を構築したとの評価を得ている。