バリ舞踊研究会
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開催概要
日時 | 2009年11月6日(金) 17:00~20:30 | ||
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場所 | 早稲田キャンパス6号館3階318室(レクチャールーム) | ||
主催 | 舞踊研究コース | ||
概要 | グローバルCOE舞踊研究コース研究会 17:00-18:20 「バリ島社会の変容と芸能の現在」 講演:伏木香織(東京藝術大学教育研究助手) 18:30-19:50 「バリ舞踊の技法と独自性」 講演・実演:猪野尾洋美(バリ舞踊家) 20:00-20:30 質疑応答 司会:石井達朗(慶応大学名誉教授、GCOE客員講師)
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詳細情報
【開催報告】まず、伏木香織氏の講演では、急速に観光業が侵入し、多様な訪問者たちが溢れるバリ島における祭祀・芸能の担い手たちの変容と現状について以下の2つの問題を中心に理論的に語られた。
①アジア経済危機(1997年-)と「文化」による社会復興 ※「文化」=「宗教」「慣習」「文化」の統合体
②アジェッグ・バリ~バリ島爆弾テロ事件(2002.10-)以降のバリ島社会と芸能
※アジェッグ・バリ(Ajeg Bali)=未来へ向かっての発展性をもち、未来にどう対峙すべきかを考えながら現代を生きる、という明確な意識を兼ね備えた概念。
次に、猪野尾洋美氏の講演では、実演と解説を交えながらバリ舞踊の独自性が技術的な側面から分析された。
①バリ舞踊における身体各部位の基本動作(実演)と使い方
②それぞれの技法の特徴とその象徴性についての解説
③音楽に合わせた実演とバリ舞踊の独自性
【講師プロフィール】
伏木香織(Kaori Fushiki)
東京藝術大学音楽学部楽理科卒業後、インドネシア国立芸術大学デンパサール校伝統音楽科(現ISI-Denpasar)に2年間留学。帰国後、大正大学大学院文学研究科博士前期課程、同博士後期課程修了(比較文化専攻、博士論文『プロフェッショナルの誕生--バリ文化を表象するデンパサールのガムラン奏者たち』)。現在、東京藝術大学で教育研究助手をつとめながら、東邦音楽大学、桐朋学園大学、慶應義塾大学、日本女子体育大学の非常勤講師を兼任。日本、インドネシアなどにおいて、ガムラン演奏活動も行う。
猪野尾洋美(Hiromi Inoo)
1984年国立音楽大学在学中にバリを訪れ、バリ舞踊とガムランの魅力に引き込まれる。帰国後ガムラングループに所属し活動をはじめる。1985年バリにて舞踊を習い始める。1989年よりインドネシア芸術大学(現I.S.I.)デンパサール校舞踊科に2年間在籍。同時にバリ各地の舞踊の名手に弟子入りし、伝統舞踊の習得に努める。1992年東長寺寺子屋バリ舞踊教室(現プスパ・ラトナ)開講。1994年バリ舞踊企画アムルタを立ち上げ、日本人なりのバリ舞踊の表現と創作を模索しながら、日本各地およびバリにて作品を発表する。1999~2005年NHK教育テレビ「 おかあさんといっしょ 」子供の身体遊びのコーナー『 デ・ポン! 』振付。
【司会者プロフィール】
石井 達朗(Tatsuro Ishii)
ニューヨーク大学(NYU)演劇科(1979-81)、パフォーマンス研究科(87-89)、フルブライト及びACLSによる研究員。慶応大学名誉教授、早稲田大学グローバルCOE客員講師、同大学院文学研究科非常勤講師。カイロ国際実験演劇祭(2002年)、朝日舞台芸術賞(2001-4)、トヨタコレオグラフィーアワード(2006-8)審査員。舞踏フェスティバル(韓国・ソウル)実行委員長(2005)。アジアの祭祀芸能、パフォーマンス論、現代舞踊の評論と研究。著書に『ポリセクシュアル・ラブ』、『異装のセクシュアリテイ』、『男装論』、『サーカスを一本指で支えた男』、『サーカスのフィルモロジー』、『アクロバットとダンス』、『身体の臨界点』など。