連続講演会「文化外交再考 歴史的な形成過程と現在における課題」第一回
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開催概要
日時 | 2010年5月24日(月) 18:00~21:00 |
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場所 | 早稲田キャンパス26号館(大隈タワー)3階302会議室 |
主催 | 芸術文化環境研究コース |
概要 | 連続講演会「文化外交再考 歴史的な形成過程と現在における課題」 第1回「フランスの文化外交政策」 講師 アレクシー・ラメック(フランス大使館 文化参事官) 日本語逐次通訳:福崎裕子 ※使用言語:フランス語(逐次日本語通訳あり) 【無料、要事前予約】 人数確認のため、事前予約をお願いいたします。 予約フォームは以下のページにある該当イベントの申し込みボタンより ご予約ください。http://www.waseda.jp/prj-gcoe-enpaku/event/ [内容] 冷戦の終結、欧州統合の拡大・深化、グローバル化・情報化の進展、新興工業国の 台頭などに象徴されるように外交を取り巻く政治的・経済的文脈が変化する中、ソ フトパワー概念にも助けられ、パブリック・ディプロマシーの重要性の認識は浸透 してきました。反面、行政組織全般に対する効率化の要請は強まり、そこでは外交 も聖域ではなくなり、文化外交政策の目的と手段の再定義を迫られています。 こうしたことは日本だけでなく、先進国の多くに共通した課題だといえます。こう したなか、文化外交の先達ともいえる諸外国は、どのような処方箋を描いているの でしょうか。また、そもそも文化外交政策はいかなるかたちで形成され、どのよう に国内の文化政策と重なり合い、ずれを生じさせながら発展してきたのでしょうか。 来るべき世界において文化が占める位置をもう一度考え直すために、文化外交の最 前線で責任者を務める方々を講師に迎えて、連続講演会を開催いたします。 第1回は、大使館旧館を舞台にきわめてユニークな現代美術展「ノーマンズランド」 を主催し、成功させたことが記憶に新しいフランス大使館より、アレクシー・ラメ ック文化参事官をお招きします。 フランス語・フランス文化の国外での普及を図るアリアンス・フランセーズの創設 は1883年のことであるように、フランスは最も長い文化外交の伝統を持つ国の一つ です。フランスと日本の文化外交の歴史も長く、日仏会館の創設は1924年にさかの ぼりますが、戦後に設立された日仏学院も日本各地で活発な活動を行っています。 そのフランスの文化外交も今日、再定義を迫られており、旧AFAAを改組して数年前 に発足したばかりのキュルチュールフランスをさらに改組し、大規模に組織を再編 することが検討されています。その文化外交の歴史と今日の課題について詳しくお 話を伺う予定です。 |
詳細情報
【開催報告】フランス大使館の文化参事官アレクシー・ラメック氏によるフランスの文化外交政策についてのレクチャー。
まずは、20世紀後半から現在に至るまでのフランスの文化外交政策の歴史的経緯についての紹介があり、
とりわけ言語教育と現代のフランス文化の創造性の伝達という役割の重要性を指摘された。
その上で、現在四度目となるフランスの文化外交制度の改編、とりわけ世界規模での在外文化機関の
改編と統合についての詳細な経緯と、その改編に対するフランスでの議論についての紹介がなされた。
会場との質疑においては、フランスにおける文化外交の位置づけ、国家と文化政策の関係性といった視点
から質問が提出され、レクチャーの論点がより深められた。文化外交の現場に関わる方や研究者が
参加者の中心であり、熱気に満ちた盛況な会となった。