17世紀フランス演劇研究会 講演会「パスカルと演劇」
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開催概要
日時 | 2010年6月5日(土) 15:00~17:00 |
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場所 | 早稲田キャンパス26号館(大隈タワー)3階302会議室 |
主催 | 西洋演劇研究コース17世紀フランス演劇研究会 |
概要 | タイトル:パスカルと演劇 講師:塩川徹也氏(東京大学名誉教授) 【無料、予約不要】 [内容] パスカルは演劇に無関心で批判的な態度を取っていたと思われている。 しかし『パンセ』の中には演劇に関する興味深い考察がいくつか見出される。 それ以上に、彼の著作とりわけ『パンセ』と『プロヴァンシアル』において、 演劇的な思考と手法は重要な役割を果たしている。演劇に対する警戒感と 演劇の活用がどのように結びつくのかを検討することを通じて、パスカルにとって 演劇が何であったかを考えてみたい。 [講師プロフィール] 東京大学名誉教授 日本学士院会員 主要著書 パスカル奇蹟と表徴 岩波書店 1985 渋沢・クローデ ル特別賞受賞 虹と秘蹟 パスカル<見えないもの>の認識 岩波書店 1993 パスカル『パンセ』を読む 岩波セミナーブックス 2001 パスカル考 岩波書店 2003 和辻哲郎文化賞受賞 日 本学士院賞受賞 |
詳細情報
【開催報告】本研究会では、パスカルの側から17世紀フランス演劇に光が当てられ、再考された。パスカル一家と演劇との関わり、『パンセ』における演劇への言及、パスカルの著作における演劇的な思考と手法が主な論点となった。テクストにおける表象/再現に敏感であったパスカルの作品には、演劇(的なもの)への関心がうかがえる。中でも、説得の手法として演劇的要素が用いられている点は興味深い。
質疑応答では、パスカルのテクストにとどまらず、17世紀の演劇状況、パスカルを取り巻く状況、さらには同時代の他作家にも焦点があてられ、活発な議論が繰り広げられた。