東洋演劇研究コース 特別講義
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開催概要
日時 | 2010年11月13日(土) 15:15~17:15 |
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場所 | 早稲田キャンパス6号館3階318室(レクチャールーム) |
主催 | 東洋演劇研究コース |
概要 | 講師:周慧玲(台湾国立中央大学准教授) |
詳細情報
【開催報告】ニューヨーク大学にてRichard Schechnerに師事しパフォーマンス・スタディズを学び、現在台湾国立中央大学の英米学科の准教授、劇団「創作社」の主宰兼監督をしている周慧玲氏に、台湾の戦後の現代劇場(小劇場)の発展と創作活動についてお話をして頂いた。まず、1950~60年代の「反共話劇」の時代に生まれた作品の特徴(李曼瑰の作品における曖昧な背景の設定)、70~80年代にアメリカの商業劇場のやり方と評論スタイルが浸透する中、欧米の留学経験者と大学の若者中心とした現代演劇のブーム、当時の文化政策の変化と、最後に90年代以降の小劇場論述の困難さと実際の劇場活動と理論方針との矛盾など、各年代の発展状況を丁寧に、しかも全貌をつかめやすいような内容であった。周氏は80年代の現代演劇ブームに参加した一人である立場と経験から、生彩に富んだ講義内容ができて、更にそういった発展背景の中に自らの劇団活動と創作を中国大陸との交流について舞台写真や上演DVDを放送しながら話をまとめてくれた。また、今回の特別講義をきっかけに、立ち上げた台湾現代演劇のデーターベースを紹介し、また主宰の「創作社」(1997年~)の上演作品のDVD(市販に回していないものを含めて)、劇作(出版されたもの)と、学術著書を演劇博物館に寄贈した。