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シェイクスピア・ゼミ講演会「シェイクスピア本文と『読み』について」

開催概要

日時 2010年11月20日(土) 15:30~17:00
場所 早稲田キャンパス26号館(大隈タワー)3階302会議室
主催 西洋演劇研究コース シェイクスピア・ゼミ
概要 リチャード3世』、『ロミオとジュリエット』、『ハムレット』、『リア王』、『オセロ』など、
代表的なシェイクスピア作品の多くは、複数の本文が現存している。本文研究は
そのような作品を主たる研究対象とし、そこから校訂本を作る過程で浮上する複雑な
問題の解決方法を探っていく。
本文研究の重鎮であり、日本シェイクスピア協会会長も務めていた金子氏が、本文
研究を初心者にもわかりやすく説いていく。研究史の概略に触れ、現代の校訂本が
孕む問題とその「読み」について、『オセロ』から具体例を挙げながら検討していく。

詳細情報

講師 金子雄司(中央大学法学部教授)

講師略歴
研究テーマはシェイクスピア及び英国ルネサンス期戯曲作品の本文研究。
1976年から1977年の英国バーミンガム大学大学院留学を経て、1978年に
東京大学大学院人文科学科(英語英文学)博士課程単位取得満期退学。
同年中央大学法学部専任講師に着任後、1987年より現職。2001年から
2005年まで日本シェイクスピア協会会長就任。
主な著作: 
『19世紀英国家庭のためのシェイクスピア戯曲全集 (The Family Shakespeare)』全10巻、復刻版監修・解説執筆(ユーリカ・プレス、2009年)、
日本シェイクスピア協会編「シェイクスピア作品の印刷本と本文編纂」『新編・シェイクスピア案内』(研究社、2007年)、
「シェイクスピア本文の再生産」『岩波講座 文学1』(岩波書店、2003年)、
The Restoration Stage Controversy (The History of British Theatre Series), 6vols.復刻版監修・解説執筆(Routledge/Thoemmes Press, 1966)
他多数。

【開催報告】
本講演では、本文研究の歴史の概略にふれながら、現代の校訂本に孕む問題とその「読み」について、Othelloから具体例を挙げて論じられた。扱うテクストが作者の執筆した原稿なのか、筆写者の作成したものなのか、劇場台本として使用されたものなのかで、上演の意味は変わってくる。そのような観点から考えれば、書誌学研究はテキスト上演の最も根本的な問題と関わっているということができる。シェイクスピア書誌学研究の重鎮の1人であり、日本シェイクスピア協会の会長でもある金子氏の講演は、研究生たちがこれから研究を行っていくためのとても重要な基礎、出発点となった。講演後の質疑応答の時間においても活発な議論が交わされた。

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