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17世紀フランス演劇研究会 講演会

開催概要

日時 2011年5月21日(土) 15:00~17:00
場所 早稲田キャンパス国際会議場4階共同研究室7
主催 西洋演劇研究コース17世紀フランス演劇研究会
概要 題目 「エレーヌ・シクスーによる演劇のためのエクリチュールの試み
    ―太陽劇団との協働作業の現場から」

講師 稲村真実

内容紹介
作家であり、また劇作家としても活動するエレーヌ・シクスー(1937-)の仕事を、
フィクションと演劇という観点からとらえるための一つの試みとして、1998年6月
にスリジー・ラ・サルで行われたシクスーに関する一連のシンポジウムから、お
もにシクスーとアリアーヌ・ムヌーシュキンの対談をとりあげ、80年代から始ま
る太陽劇団との協働作業をとおして発見された、テクストと演劇(戯曲)のエク
リチュールの位相の違いを、登場人物、時間性などから考察する。こうした演劇
との出会いがシクスーの仕事にもたらしたものとは何か、また、フィクションと
演劇という異なるジャンルをあえて結ぶ、シクスーの創作活動を生み出すものに
ついても考える。

講師プロフィール
パリ第8大学にてD.E.A取得(1994)、同大学博士課程在籍(1995~1997)。
フランス政府給費留学生(女性学)として、パリ第8大学女性学センター
(1998~99)に所属。立教大学大学院博士後期課程単位取得満期退(2000)。
現在、立教大学、津田塾大学ほか非常勤講師。エレーヌ・シクスーの絵画に
関するいくつかのテクストを翻訳しながら、博士論文を準備中。

詳細情報

【開催報告】
 本研究会では、『エレーヌ・シクスーによる演劇のためのエクリチュールの試み — 太陽劇団との協働作業の現場から』というテーマで、稲村真実氏にご講演いただいた。
 作家であり、また劇作家としても活動するエレーヌ・シクスー(1937–)の仕事を、フィクションと演劇という観点からとらえるための一つの試みとして、1998年6月にスリジー・ラ・サルで行われたシクスーに関するシンポジウムから、主としてシクスーとアリアーヌ・ムヌーシュキンの対談をとりあげながら、80年代から始まる太陽劇団との協働作業をとおして発見された、テクストと演劇(戯曲)のエクリチュールの位相の違いが、登場人物、時間性などから考察された。また、こうした異なるジャンルを結ぶシクスーの創作活動を生み出すものについての検討もなされた。
 ムヌーシュキンは演劇の本質を探究し、それを舞台上で充全に花開かせようと様々な試みを行い続けている演出家である。彼女の試みの中には、17世紀最大の劇作家のひとりモリエールの作品も、探求のための重要なテクストとして含まれている。ムヌーシュキンと協働し、演劇テクストのエクリチュールを深く掘り下げようとしているシクスーについての講演は、大変示唆に富んだものであった。

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