東洋演劇研究コース 第1回共同ゼミ
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開催概要
日時 | 2011年5月28日(土) 15:00~17:00 |
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場所 | 早稲田大学国際会議場共同研究室7 |
主催 | 東洋演劇研究コース |
概要 | 発表者:ボウ・シルヴィ(グローバルCOE研究生/パリ第十大学博士課程) |
詳細情報
【開催報告】本年度の第一回共同ゼミにてGCOE研究生のシルビイ・ボウ(パリ第十大学)は博士論文の進行報告を行った。博士論文は人類学の方法から中国雲南省陽宗鎮小屯村の漢民族によって演じられる「関索戯」について考察しており、報告では、発表者のフィールドワークの成果に基づいて書かれた論文の一章『関索戯の角度から張芸謀の映画《千里走単騎》を見る』を発表した。小屯村の関索戯は仮面劇であり、儀式性を色濃く帯びているために研究者に「儺戯」の一種と見なされている。従って村の特定の苗字の男性のみによって演じられ、その伝承は父から子へと継がれてきた。2005年に著名な映画監督張芸謀がここの「関索戯」を題材として映画を撮影し、大きな注目と話題を呼んだ。観光人類学の問題も絡みながら、報告の中心は張芸謀の映画作品から「映画」と「戯曲」、「ドキュメンタリ」と「フィクション」、「父」と「子」等といった多層的に交錯している関係が見出せることに置かれた。人類学の枠を超えて映画研究の方法も用いられた分析内容に質疑応答の時に活発な意見交換が行われた。