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グザヴィエ・ル・ロワ講演会「視覚イメージの生産と受容」

開催概要

日時 2011年6月22日(水) 18:30~21:00
場所 早稲田キャンパス26号館(大隈タワー)地下多目的講義室
主催 舞踊研究コース  協力:東京・横浜日仏学院
概要 話し手 グザヴィエ・ル・ロワ(振付家)

フランス語通訳 高野勢子

入場無料・予約不要

内容紹介
1990年代半ばに「ヌーヴェル・フォルム・フランセーズ」と呼ばれるダンス・ムーブ
メントが起こり、フランスを中心としたヨーロッパのダンス・シーンに大きな変化が
生じました。その中心人物の1人と目されているのがグザヴィエ・ル・ロワ氏です。
「プロダクト」、「プロセス」そして「観客」という契機に焦点を当てながらダンスを
構成する氏の分析的アプローチは新たなコレオグラフィ概念を提起しているように
見えます。
今回は神奈川芸術劇場で行われる『Self Unfinished』(1998)の初来日公演に先立
ち、日本未公開作品の上映を交えつつ、自身の経歴、芸術観、創作方法などをお話い
ただきます。

詳細情報

【開催報告】
フランスのコンテンポラリーダンスは1990年代半ばに一つの転換点を迎えたと言われている。この時期に多くの振付家やダンサーがダンスに関する既存の政治や美学に疑問を抱き、多様なダンスの方法論が導きだされた。パリ第八大学を中心とするフランスの研究者たちはこの新たな舞踊ムーブメントを「ヌーヴェル・フォルム」と呼ぶ。ただし、この呼称や定義は暫定的であるため、現在の舞踊研究において、このムーブメントをいかに歴史的に位置づけ、その多様な実践をいかに分類、分析し、理論化するかが一つの課題になっている。その面から観て「ヌーヴェル・フォルム」の急先鋒を担った振付家ル・ロワ氏の日本で最初となる本講演は意義深いものであった。
 今回の講演では『ナルシスフリップ』『Self Unfinished』『無題』『春の祭典』という4つの作品を題材として、それぞれの作品に固有の方法論について話して頂いた。「観客は身体の動きだけでなく、動きが作られる方法、その方法が舞台で具体化されるプロセス、動きが代理=表象するもの、それらを包括的に観ている」という発言に氏独自のコレオグラフィ概念が端的に表されていたと言えるだろう。作品毎に方法論、身体性、視覚性、観客との関係性を変更し、ひいては劇場が伝統的に保持してきた「見る―見られる」という機能さえも更新するル・ロワ氏の斬新な作品に聴衆は大きな関心を寄せ、多数の質問が投げかけられた。

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