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オペラ/音楽劇の総合的研究プロジェクト

開催概要

日時 2011年7月2日(土) 15:00~
場所 早稲田キャンパス8号館219室
主催 西洋演劇研究コース オペラ/音楽劇の総合的研究プロジェクト
概要 【研究発表1:平井李枝(ピアニスト・ソプラノ、GCOE研究生)】
「エンリケ・グラナドス―オペラ作品とカタロニア音楽界への貢献―」

<概要>
エンリケ・グラナドス(1867-1916)は19世紀終わりから20世紀初頭に活躍し
たスペイン・カタロニア出身の作曲家である。グラナドスはピアニストであった
ため作品の大半はピアノ作品であるが、その生涯のなかでオペラ作品をいくつか
残している。彼のオペラ最高傑作は、《ゴイェスカス》である。この作品は同題
のピアノ曲集を基に作曲されニューヨークで初演された。グラナドスはバルセロ
ナを拠点に作曲家としてだけでなく、ピアニスト、指揮者、音楽指導者として活
動し、当時のカタロニア音楽界を牽引していた。今回はオペラ《ゴイェスカス》
の完成に至るまでの道のりを、彼がカタロニアで行った音楽活動と関連付けて考
察する。

<プロフィール>
ピアニスト、ソプラノ。東京芸術大学付属音楽高校を経て東京芸術大学ピアノ
科卒業。2010年、グラナドスの研究で博士(音楽)を取得(聖徳大学)。全音楽
譜出版社刊グラナドス、ラフマニノフ、ファリャ作品集の校訂者として、全国で
音楽指導者を対象とした公開講座やレクチャーコンサートを開催。2011年スペイ
ン・カタロニア国立図書館より栄誉賞受賞。渋谷教育学園非常勤講師。


【研究発表2:長谷川悦朗(早稲田大学・国立音楽大学他非常勤講師、GCOE研究協力者)】
「舞台上の光と闇―ロルツィングのオペラ《密猟者》について―」

<概要>
自作オペラの多くで台本作家兼作曲家の役割を担ったロルツィングは、喜劇オ
ペラ《密猟者》(1842年初演)の台本も自ら執筆したが、その際コツェブーの喜
劇『ノロジカ』(1815年初演)を下敷きにした。原作とは異なる要素の中でも特
に知名度が高い「ビリヤード場面」は、偶発的に到来した闇の中で二人の男性が
一人の女性に向けて欲望を露呈するが、直後に運び込まれた灯りによって自分達
の過誤を認識する滑稽場面である。この場面には筋進行全体が集約されているこ
とを明らかにするとともに、光と闇の交錯には劇場照明の歴史的展開における画
期的転換が関係していた可能性も勘案しながら考察する。

<プロフィール>
早大大学院文学研究科ドイツ文学専攻博士後期課程単位取得満期退学。その間1997
年~2000年にドイツ学術交流会(DAAD)奨学金にてドイツ・ハイデルベルク大
学留学。共著に『オペラの18世紀』(彩流社)。論文はシラー、ヴァーグナー、
ロルツィング等について。現在、早稲田大学・国立音楽大学他非常勤講師。

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