オペラ/音楽劇の総合的研究プロジェクト
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開催概要
日時 | 2011年8月6日(土) 16:00~17:30 |
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場所 | 早稲田キャンパス26号館(大隈記念タワー)3階302会議室 |
主催 | 西洋演劇研究コース オペラ/音楽劇の総合的研究プロジェクト |
概要 | 【発表者】中村仁(桜美林大学ほか非常勤講師、GCOE研究生) 【題目】 「ゾッとするほどモダンな」オペラ-ヒンデミット《今日のニュース》における 自己言及的な構造についての考察 【発表概要】 1929年にベルリンで初演されたヒンデミットの3幕オペラ《今日のニュース》は、 レヴュー作家シッファーの台本によるもので、離婚を望む若い夫婦が離婚の 資金稼ぎのために、紙上を賑わす自分たちのスキャンダルをレヴューの舞台 上で演じるという、当時の「モダンな」都市生活を風刺した「喜歌劇」Lustige Operである。 劇中、モーツァルトからヴァーグナー、さらにはレヴューに至る様々な音楽劇の スタイルが引用・混合され、それらが公的空間と私的空間の間で板挟みにあい ながら役割を演じていく人物たちに合わせて周到に使い分けられている。本 発表では、上演に接したヒトラーを激怒させた「風呂場のアリア」をはじめ、 いくつかの場面を分析しながら、この作品のドラマ、音楽における様々な次元で の自己言及的・再帰的な構造とその意義を明らかにしたい。 【発表者プロフィール】 早稲田大学演劇博物館グローバルCOE研究生。桜美林大学ほか非常勤講師。 専門は20世紀のドイツ音楽、オペラ。 共著に『貴志康一と音楽の近代‐ベルリン・フィルを指揮した日本人』(青弓社)、 論文に「攪乱させる「オペラ」-クルト・ヴァイル《プロタゴニスト》における「8人の楽士達」」 (「演劇映像学2010」第3集)など。 |