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特別講義「中国の舞台におけるシェイクスピアの伝播と受容」

開催概要

日時 2011年12月10日(土) 15:00~
場所 早稲田キャンパス6号館3階318室(レクチャールーム)
主催 東洋演劇研究コース
概要 講師:曹樹鈞教授(上海戯劇学院・中国シェイクスピア学会副会長)

使用言語:中国語(日本語通訳あり)
※無料、参加自由

【タイムテーブル】
15:00~17:00 講演
17:00~17:30 討論

詳細情報

【開催報告】
 研究協力者の瀬戸宏氏(摂南大学)の協力を得て、中国のシェイクスピア演劇研究と上演史研究の専門家である曹樹鈞氏を招聘し、公開の特別講義『中国の舞台におけるシェイクスピアの伝播と受容』(日本語通訳付き)を行った。
中国における最初のシェイクスピア劇の上演は、1902年に上海のセントジョーンズ書院(現華東政法大学)で英語教育の一環として演じられたという。当時上演された作品は『ベニスの商人』であった。その後、五四運動以降(1919年)にアマチュア劇団による上演も見られ、本格的なシェイクスピアの翻訳も行われ始めた(田漢、梁実秋など)。新中国が成立してから(1949年以降)、シェイクスピア劇は演劇人材の育成に重要な役割を果たし、1966年までにロシアの専門家の指導の下(スタニスラフスキー・システム)で、より正確、真実にシェイクスピア劇の精神を追求するように試みられた。1966年以後の十年間は「文化大革命」によって、シェイクスピアの上演と研究はタブーとなり、中国におけるシェイクスピアの伝播と受容の空白期であった。シェイクスピア演劇の上演および研究は1980年代の「改革開放」のなかで漸く再開され、1984年に中国シェイクスピア学会が成立し、1986年と1994年にシェイクスピア演劇祭が上海と北京で開催された。また、中国伝統演劇による翻案、翻訳上演の試みも進められており、中国伝統演劇と西洋演劇の融合、そして演劇の新しい境地を見せている。二十世紀の中国の舞台におけるシェイクスピアの伝播と受容の過程を明白に提示した充実した講演であった。

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