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2010年度活動報告

Ⅰ.概要

東洋演劇研究コースでは、教育活動の一環として2008 年度より研究生の研究成果報告の場となる共同ゼミを開設している。2010 年度においても各研究生の研究進歩状況の報告及び研究指導の場として前後期計4 回の共同ゼミを行い、そのうちの一回は海外のシンポジウムに参加する二名の研究生のプレ発表会とした。また共同ゼミと並行して、特別講義、国際研究集会などの会合を開き、研究生が学内外、国内外の様々な世代の研究者と交流する機会を複数設けている。また研究活動に関しては、古典部門と近現代部門との連続性への模索を続けながら、昨年度までの成果に基づき各々の課題に沿って研究活動を展開した。各部門における2010 年度当初の研究テーマ及び計画は以下の通りである。


【近現代部門】
前年度に引き続き、中国演劇の近代化前夜における変革へのポテンシャルを考察することを目的に、(1)清代における禁書禁演令と演劇芸能の流通・変革、(2)演劇芸能の読み物化と上演・出版の環境、(3)江戸~明治期の日本における中国古典戯曲の受容の三点を課題として、近現代部門との研究の連続性を模索したい。

【古典部門】
主要テーマである中国演劇近代化の様相を明らかにするために、2009 年度までの研究活動に基づき主に以下の作業を行いたい。
(1)2006 年度開催の春柳社シンポ、および2009 年度に後継企画として中国広州で開催した国際シンポジウムの成果を継承し、清末民初演劇研究を一層発展させる。(2) 2008 年度より開始した中国におけるスタニスラフキーシステム受容史研究を継続、更に発展させる。(3)京劇史研究班は、2009 年度に最初の成果として『京劇俳優の二十世紀(仮題)』を刊行するが、引き続きこれまでの研究の蓄積を活かしつつ、20 世紀の京劇史研究を進展させたい。また古典部門の研究との接点を探る作業も継続する。

■担当者
<事業推進担当者>
平林宣和  早稲田大学政治経済学術院准教授
岡崎由美  早稲田大学文学学術院教授

<客員教員>
瀬戸宏   早稲田大学演劇博物館グローバルCOE 客員講師、摂南大学教授
森平崇文  早稲田大学演劇博物館グローバルCOE 次席研究員

<研究助手>
李宛儒    早稲田大学演劇博物館グローバルCOE 研究助手


Ⅱ.コース活動報告
■共同ゼミ
第1 回共同ゼミ
日時:2010 年4 月24 日(土)14:30 ~ 17:15
会場:早稲田キャンパス6 号館318 レクチャールーム
発表者:岩田和子(GCOE 研究生/ 早稲田大学文学部助手)
     「清末民初説唱唱本の流通と地域性―湖南唱本を中心に」
      清水拓野(研究協力者/ 神戸女学院非常勤)
     「 博物館建設と展示にみる演劇文化の再構築過程―陜西地方・秦腔の事例から」

プレ発表
日時:2010 年7 月10 日(土)15:35 ~ 16:45
会場:早稲田キャンパス6 号館318 レクチャールーム
発表者:橘千早(GCOE 研究生)
     「敦煌講唱作品の音楽形式―韻文の構文的分析を中心に」
     (山西師範大学戯曲文物研究所国際シンポジウム)
      鈴木直子(GCOE 研究生/ 早稲田大学演劇博物館助手)
     「曹禺と早稲田大学演劇博物館」(曹禺誕生百年記念シンポジウム)

第2 共同ゼミ
日時:2010 年10 月2 日(土)14:00 ~ 15:00
会場:早稲田キャンパス6 号館318 レクチャールーム
発表者:向陽(GCOE 研究生/ 南京大院)
    「中国現代話劇の確立(1918 ~ 1929)について」

第3 回共同ゼミ
日時:2010 年11 月13 日(土)14:00 ~ 15:00
会場:早稲田キャンパス6 号館318 レクチャールーム
発表者:黒田譜美(GCOE 研究生/ 金沢大院)
     「『 珍珠塔』物語の変容―清刊本『繍像考義眞蹟珍珠塔』から魏含英演出本まで」

■公開講演および特別講義
日時:2010 年5 月29 日(土)15:00 ~ 17:30
会場:早稲田キャンパス14 号館102 教室
公開講演「梅蘭芳及びその他―現代における中国伝統演劇の運命」
      (中国語・通訳付き)
講師:章詒和(作家/ 元中国芸術研究院戯曲研究所研究員)
映像:梅蘭芳1956 年来日時の俳優座講演等の映像
    (解説:波多野眞矢 GCOE 研究生/ 中央大院)
座談会「現代における日中の伝統演劇」
パネリスト:章詒和(招聘講師)
       岡崎由美(早大教授/GCOE 東洋演劇研究コース事業推進担当者)
       児玉竜一(早大教授/GCOE 日本演劇研究コース事業推進担当者)

日時:2010 年10 月2 日(土)15:30 ~ 17:30
会場:早稲田キャンパス6 号館318 レクチャールーム
特別講義「二十世紀前半の中国南方の話劇運動について」(日本語)
講師:間ふさ子(福岡大学人文学部東アジア地域言語学科准教授)

日時:2010 年11 月13 日(土)15:15 ~ 17:15
会場:早稲田キャンパス6 号館318 レクチャールーム
特別講義「芸術か産業か―台湾現代劇場の発展及び創造」(中国語・通訳なし)
講師:周慧玲(台湾国立中央大学英米学科准教授)

日時:2010 年11 月23 日(火)13:30 ~ 18:00
会場:早稲田キャンパス6 号館318 レクチャールーム
特別講義「現代中国演劇講座」(中国語・通訳なし)
講師:陶慶梅(中国社会科学院文学研究所副研究員)
    「実験演劇と市場の弁証」
     呂効平(南京大学文学院教授)
    「現在の中国演劇創作の一つの傾向」
     解玉峰(南京大学文学院准教授)
    「中国古典演劇の美学概念及び芸術構成」

日時:2011 年1 月22 日(土)14:00 ~ 18:00
会場:早稲田キャンパス6 号館318 レクチャールーム
特別講義(1)「昆曲と『牡丹亭』」(中国語・通訳なし)
講師:葉長海(上海戯劇学院教授)
特別講義(2)「日本の視点から見る梅蘭芳の美学への解釈」
講師:鄒元江(武漢大学哲学学院教授)

日時:2011 年2 月25 日(金)16:00 ~ 18:00
会場:早稲田キャンパス6 号館318 レクチャールーム
特別講義「中国女性演劇の可能性―作家の視点から」(中国語・通訳なし)
講師:銭珏(劇作家/ 上海戯劇学院講師)

■スタニスラフスキ-・システム受容史研究会
日時:2010 年7 月10 日14:00 ~ 15:20
会場:早稲田キャンパス国際会議場第1 会議室
第4 回 陳世雄『三角対話』(厦門大学出版社、2003 年)読書会
発表者:赤木夏子(GCOE 研究生/ 東大院)、平林宣和(GCOE 事業推進担当者)
閲読:『三角対話』第7 章・総合討論

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